裁断
一枚のレザーを初めて傷つける。
一枚のパターン用紙を様々な位置に置き、
そのパーツをどこから切り出すのか、悩む。
レザーの表情をそのパーツにどう生かすか、
じっくりと時間をかける。
ここだと思い切り出した場所の裏面に、
傷などで段差があったりすると
使い物にならなくなるので、念入りに場所を決める。
カットするためのラインを入れると
そこが境界になって、それまで気がつかなかった
些細な筋などに気付くこともあるから面白い。
レザーにはデシと言う単位が使われ、10cm四方の正方形に
区切られて値段が付けられる。
レザーは一つとして同じ形のものは無く、そして端の方は使えない。
またレザーの種類(牛や馬)によってその使えない部分の割合は異なり、
作り手が「使える」と許容出来る範囲も異なる。
その使えない部分を増やすと言うことは、それだけ
使える部分のコストが高くなることになる。
その見えない面積を考えると、切り出されたパーツのみで
コストを計算することはとても難しい。
裁断は大事な作業だ。
レザーの使われ方を見ると、
作り手がどれだけ気持ちを込めて
その品を作ったかが良く分かる。
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